
インバータ制御とは?
インバータ制御とは、インバータを使ってモーターの回転速度を調整する制御方法です。空調設備では、送風機やポンプなどの運転能力を必要に応じて変えるために使われます。
例えば、送風機で必要な風量が少なくなった場合、モーターの回転速度を下げて送風量を調整します。冷温水ポンプでも、必要な流量に応じて回転速度を変える構成があります。
インバータそのものの仕組みについては、インバータとは?の記事で解説しています。
インバータ制御の仕組み
一般的なモーター用インバータは、モーターに供給する電力の周波数や電圧を調整し、回転速度を制御します。
- センサーなどで設備の状態を測定する
- 制御装置が測定値と設定値を比較する
- 制御装置からインバータへ指令を送る
- インバータがモーターの回転速度を調整する
- 送風量や水の流量などが変化する
これは代表的な構成例です。実際の制御方法や指令の伝達方式は、設備や機器の仕様によって異なります。
空調設備での使用例
送風機の風量制御
空調機や送風機では、必要な風量やダクト内の静圧に応じて回転速度を調整することがあります。必要な風量が少ないときに回転速度を下げることで、送風機の消費電力を抑えられる場合があります。
ポンプの流量制御
冷温水ポンプや冷却水ポンプでは、設備の負荷や必要流量に応じて回転速度を調整する構成があります。流量を必要以上に増やさずに運転することで、省エネルギーにつながる場合があります。
冷却塔ファンの制御
冷却塔のファンでも、冷却水の温度などに応じて回転速度を調整する構成があります。制御条件は設備設計や機器の仕様によって異なります。
インバータ制御とDDCの関係
空調設備では、DDCなどの制御装置がセンサーの値をもとに制御演算を行い、その指令をインバータへ送る構成があります。
- センサー:温度、圧力、流量などを測定する
- DDC:設定値と測定値をもとに制御指令を計算する
- インバータ:指令に応じてモーターの回転速度を調整する
- ファン・ポンプ:空気や水を移動させる
指令には、0~10Vなどのアナログ信号や通信が使われる場合があります。対応する信号や通信方式は、接続する機器の仕様を確認する必要があります。
インバータ制御とVAVの関係
VAVは、空調エリアごとの風量を調整する可変風量方式です。各VAVのダンパー開度が変わると、ダクト内の風量や静圧も変化します。
そのため、VAVシステムでは、ダクト内の静圧などを測定し、送風機のインバータを制御する構成があります。各エリアの風量調整と送風機の回転速度調整を連携させることで、必要な風量を確保しながら効率的な運転を目指します。
ただし、静圧制御を採用するかどうかや制御の詳細は、設備の設計によって異なります。
インバータ制御のメリットと注意点
メリット
- 負荷に応じてモーターの回転速度を調整できる
- 必要以上の風量や流量を抑えられる場合がある
- 運転条件によっては消費電力の削減につながる
- センサーやDDCと連携し、自動制御を構成できる
注意点
- モーターやインバータが対応する運転範囲を守る必要がある
- 最低周波数や加減速時間など、機器の設定が運転に影響する
- センサーの測定値や制御設定が不適切だと、必要な風量・流量を確保できない場合がある
- 省エネルギー効果は設備の構成や運転条件によって異なる
インバータ制御がうまく動作しないときの確認ポイント
回転速度や風量・流量が想定どおりに変化しない場合は、次の項目を確認します。
- インバータに警報や異常表示が出ていないか
- 運転指令や周波数指令が正しく入力されているか
- DDCの測定値、設定値、制御出力に異常がないか
- センサーの測定値が実際の状態と大きくずれていないか
- モーター、送風機、ポンプに機械的な異常がないか
- 中央監視に関連する警報や通信異常が表示されていないか
確認は、測定値、制御指令、インバータの状態、機器の動作の順に進めると、原因を切り分けやすくなります。電気設備の点検は、メーカーの手順と安全規定に従って実施してください。
よくある質問
インバータ制御とは簡単にいうと何ですか?
モーターの回転速度を調整し、送風量や流量などを必要な状態に近づける制御方法です。
インバータ制御を使うと必ず省エネになりますか?
必ずではありません。負荷に応じて回転速度を調整できるため、省エネルギーにつながる場合がありますが、効果は機器や運転条件によって異なります。
インバータとDDCは何が違いますか?
DDCは測定値などをもとに制御演算を行う装置です。インバータは、指令に応じてモーターの回転速度を調整する装置です。
