
VAVとは?
VAV(Variable Air Volume)とは、空調エリアの負荷に応じて送風量を調整する方式、またはそのために使われる可変風量装置のことです。日本語では「可変風量」と呼ばれます。
空調設備では、部屋の温度や使用状況によって必要な空調能力が変化します。VAVは風量を調整することで、各エリアに必要な量の空気を供給します。
例えば、オフィスの一部で冷房負荷が小さくなった場合、そのエリアへの送風量を減らすことで、過剰な空調を抑えられます。
VAVの仕組み
一般的なVAV方式では、空調機から送られた空気をダクトで各エリアに分配し、VAVボックスで風量を調整します。
- 空調機が温度や湿度などを調整した空気を送る
- 温度センサーなどで室内の状態を確認する
- 制御装置が必要な風量を判断する
- VAVボックス内のダンパーを動かして風量を調整する
- 調整された空気が室内に供給される
実際の制御方法は設備の設計によって異なります。室温だけでなく、設定風量や室内の圧力条件などを用いる場合もあります。
VAVボックスとは?
VAVボックスは、ダクトを通る空気の風量を調整する装置です。内部には一般的にダンパーがあり、その開度を変えることで通過する空気の量を調整します。
機種によっては風量センサーや制御装置を備えています。測定した風量をもとにダンパーを制御し、目標風量に近づけます。
VAVボックスの制御には、DDCなどのコントローラが使われることがあります。
VAVとCAVの違い
| 項目 | VAV | CAV |
|---|---|---|
| 名称 | 可変風量方式 | 定風量方式 |
| 風量 | 必要に応じて変化させる | 基本的に一定に保つ |
| 主な用途 | エリアごとに負荷が変化する場所 | 一定の風量を供給したい場所 |
| 制御 | ダンパーなどで風量を調整 | 設計条件に応じて風量を維持 |
VAVは風量を変化させる方式、CAVは風量を一定に保つ方式です。ただし、実際の設備構成や制御方式はシステムによって異なります。
VAVとDDC・温度センサーの関係
VAVによる自動制御では、温度センサーや風量センサー、DDCなどが連携する構成があります。
- 温度センサー:室温などを測定する
- DDC:測定値や設定値をもとに制御指令を出す
- VAVボックス:ダンパーを動かして風量を調整する
- 中央監視:設備の状態や警報などを監視する
中央監視システムからVAVの状態や設定値を確認できる構成もあります。ただし、監視・操作できる項目は設備の設計や通信仕様によって異なります。
VAVとインバータ制御の違い
VAVは各エリアへの風量を調整する仕組みです。一方、インバータ制御はモーターの回転速度を変えることで、送風機などの運転状態を調整します。
VAVで複数のエリアの風量を減らした場合、ダクト内の静圧が変化することがあります。そのため、送風機のインバータと連携し、必要な風量や静圧に応じて送風機の回転速度を調整する構成もあります。
VAVとインバータは役割が異なりますが、組み合わせることで空調設備全体を効率よく運転できる場合があります。
VAVを使用するメリット
- エリアごとの空調負荷に応じて風量を調整できる
- 必要以上の送風を抑えられる場合がある
- エリアごとの温度管理に対応しやすい
- 送風機のインバータ制御と組み合わせて省エネルギーを図れる
ただし、省エネルギー効果は設計、設定値、機器の選定、運転状況などに左右されます。VAVを導入するだけで必ず消費電力が削減されるわけではありません。
VAVの風量が変わらないときの確認ポイント
VAVの風量が設定どおりに変化しない場合は、次の項目を確認します。
- 温度センサーや風量センサーが正常に測定できているか
- 設定風量や制御設定に誤りがないか
- ダンパーやアクチュエータが正常に動作しているか
- DDCから適切な制御指令が出ているか
- ダクトの閉塞や過大な圧力変動が発生していないか
- 中央監視に警報や通信異常が表示されていないか
原因を切り分ける際は、測定値、設定値、制御出力、機器の動作を順番に確認します。実際の点検では、機器の仕様書やメーカーの手順に従ってください。
よくある質問
VAVは何の略ですか?
Variable Air Volumeの略で、日本語では可変風量と呼ばれます。
VAVは何を調整しますか?
主にダクトを通って各空調エリアに供給される風量を調整します。
VAVとダンパーは同じものですか?
同じではありません。ダンパーは空気の通り道の開度を調整する機器で、VAVボックスはダンパーなどを使って風量を調整する装置です。
VAVと中央監視はどのような関係ですか?
設備構成によっては、VAVの運転状態や設定値などを中央監視システムから確認できます。操作できる範囲はシステムの仕様によって異なります。
