差圧センサーとは?空調・計装で使われる差圧センサーの仕組みをわかりやすく解説

計装

差圧センサーとは?

差圧センサーとは、2つの測定点の圧力差を検出する計測機器です。空調設備や計装システムでは、フィルターの目詰まり検知、ダクト内の圧力監視、ファンの制御などに使われます。

差圧センサーは、圧力の差を電気信号に変換して、DDCなどの制御機器へ送ります。制御機器は受け取った信号をもとに、設備の状態監視や自動制御を行います。

差圧センサーの仕組み

差圧センサーには、圧力を測定するための2つの接続口があります。一般的に、高圧側を「H」、低圧側を「L」と表記します。

  • H側:比較的圧力が高い側
  • L側:比較的圧力が低い側

センサーは両側の圧力を比較し、その差を測定します。基本的な関係は次のとおりです。

差圧 = H側の圧力 − L側の圧力

例えば、H側が300Pa、L側が100Paの場合、差圧は200Paです。実際の表示値や極性は、機器の仕様や接続方法によって確認が必要です。

空調設備での主な用途

1. フィルターの目詰まり検知

フィルターの前後に圧力取り出し口を設け、差圧を測定します。フィルターが汚れて目詰まりすると、空気が通りにくくなり、フィルター前後の差圧が大きくなることがあります。

差圧が設定値を超えた場合に、警報を出したり、点検を促したりする用途に使われます。判定基準はフィルターの種類や風量、設備の設計条件によって異なります。

2. ダクト内の圧力監視

給気ダクトなどの圧力を監視するために使用します。測定した差圧信号をDDCへ送り、ダクトの圧力が目標値に近づくようにファンの回転数を調整する構成があります。

ただし、どの圧力を測定するか、どのように制御するかは設備の設計によって異なります。

3. 室内や区画間の圧力差の監視

クリーンルームや特定の管理区域などで、室内と廊下の圧力差を監視する用途にも使われます。圧力差を設けることで、空気の流れる方向を管理する設計があります。

必要な差圧や警報設定値は、施設の用途や設計基準に従って決めます。

差圧センサーの出力信号

差圧センサーは、測定した差圧を電気信号として出力するタイプが一般的です。空調・計装では、次のような信号が使われます。

出力信号特徴確認する点
4〜20mA電流で測定値を伝える電源、配線、入力設定、測定レンジ
0〜10V電圧で測定値を伝える電源、信号線、共通線、入力設定
接点出力設定値を超えたときなどに接点を切り替える警報設定値、接点仕様、配線

すべての機種がこれらの出力に対応しているわけではありません。機器を選ぶ際は、DDCなどの受信側が対応する信号と一致しているか確認します。

関連:4〜20mAとは? / 0〜10Vとは?

差圧センサーの選定で確認すること

測定レンジ

測定できる差圧の範囲です。想定する通常運転時の差圧だけでなく、運転条件の変化や最大差圧も考慮して選定します。レンジが用途に合っていないと、必要な精度で測定できない場合があります。

測定精度

監視や制御に必要な精度を確認します。特に小さな圧力差を測る用途では、精度だけでなく、ゼロ点のずれや温度による影響も確認します。

出力信号と電源

出力が4〜20mAなのか0〜10Vなのか、また必要な電源電圧はいくつかを確認します。DDC側の入力方式と合わない場合、そのままでは正しく信号を受け取れません。

使用環境と接続方法

測定する空気や流体、周囲温度、湿度、設置場所、圧力取り出し口の接続方法を確認します。水分や粉じんの影響を受ける環境では、機器の適用条件も確認が必要です。

差圧センサーの設置・配管で注意すること

  • H側とL側の接続先を、機器の仕様書や設計図に従って確認する。
  • 圧力取り出し口やチューブに、詰まり・折れ・外れがないか確認する。
  • チューブの長さや取り回しが、測定に影響しないようにする。
  • 屋外や高湿度の場所では、結露や水の侵入に注意する。
  • 設置後は、ゼロ点や表示値が適切か、必要に応じて確認する。

設置方法は機種や用途によって異なります。接続口の向きや設置姿勢については、メーカーの取扱説明書に従ってください。

差圧センサーの異常時に確認すること

症状主な確認項目
値が変化しない圧力取り出し口の詰まり、チューブの外れ、電源、出力配線
値が実際の状態と合わないH側・L側の接続、測定レンジ、ゼロ点、入力設定
値が不安定に変動する圧力の変動、チューブの状態、配線接続、センサーの設置条件
中央監視の値だけおかしいDDCの入力設定、信号のスケーリング、通信や表示設定

中央監視の表示値に異常がある場合、差圧センサー本体だけでなく、配線やDDCの入力設定も確認します。点検時は、実際の差圧とセンサー出力、DDCの入力値を順番に照合すると、原因を切り分けやすくなります。

差圧センサーと圧力センサーの違い

差圧センサーは2点間の圧力差を測定します。一方、圧力センサーは、機種によって大気圧を基準にした圧力や、真空を基準にした圧力などを測定します。

測定したいものが「2か所の圧力の差」なのか、「ある地点の圧力」なのかによって、適したセンサーが異なります。

圧力の考え方については、差圧とは?、機器の種類については圧力センサーとは?も参照してください。

DDC・中央監視との関係

差圧センサーで測定した値は、DDCなどの制御機器へ入力されます。DDCは入力信号を処理し、警報の判定やファンの制御などを行います。さらに、設備構成によっては中央監視システムへ測定値や警報状態が送られます。

センサーが測定すること、DDCが制御すること、中央監視が状態を表示することは、それぞれ役割が異なります。

よくある質問

差圧センサーと差圧スイッチは何が違いますか?

差圧センサーは、差圧を連続的な電気信号などに変換して測定値を伝えるものが一般的です。差圧スイッチは、差圧が設定値に達したときに接点を切り替えるタイプが一般的です。ただし、機器によって機能は異なります。

差圧センサーの値がマイナスになるのは故障ですか?

必ずしも故障とは限りません。H側とL側の圧力関係が想定と逆になっている場合や、機器のゼロ点・設定・接続条件によってマイナス表示になることがあります。仕様書と配管接続を確認してください。

フィルターの目詰まりは差圧センサーだけで判断できますか?

差圧は目詰まりの判断材料になりますが、差圧だけで状態を断定できるとは限りません。風量や運転条件によっても値が変わるため、設計時に定めた条件や警報設定値に基づいて判断します。

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