
差圧とは?
差圧とは、2つの測定点で測定した圧力の差です。空調設備では、フィルターの前後、ダクト内の異なる位置、室内と廊下などの圧力差を確認するために使われます。
例えば、フィルターの入口側の圧力が150Pa、出口側が100Paの場合、両者の差は50Paです。この50Paが、入口側と出口側の差圧にあたります。
差圧の計算方法
2つの測定点の圧力を比較するときは、一般的に次のように考えます。
差圧 = 高圧側の圧力 − 低圧側の圧力
| 測定点 | 圧力 |
|---|---|
| 入口側 | 150Pa |
| 出口側 | 100Pa |
| 圧力差 | 50Pa |
差圧をどちら向きに表示するかは、測定器の接続や設定によって異なる場合があります。実際の計測では、高圧側・低圧側の接続位置と、機器の表示仕様を確認してください。
空調設備で差圧を測定する理由
フィルターの目詰まりを確認する
空調機のフィルターに汚れが蓄積すると、空気が通りにくくなり、フィルター前後の圧力差が大きくなる場合があります。
そのため、フィルター前後の差圧を測定し、設定値を超えたときに点検を促す警報を出す構成があります。ただし、警報の基準値はフィルターの種類や設備の設計条件に応じて設定します。
室内と廊下の圧力差を確認する
室内と廊下などの圧力差を管理することで、空気がどちらの方向へ流れやすいかを把握できます。
例えば、用途に応じて室内を廊下より高い圧力に保ったり、反対に低い圧力に保ったりする設計があります。必要な圧力差や空気の流れ方は、部屋の用途や換気計画によって異なります。
ダクトやファンの状態を確認する
ダクト内の圧力を測定すると、送風設備の運転状態や風量制御に関する情報を得られる場合があります。
例えば、ダクトの静圧をセンサーで測定し、その値をもとにインバータでファンの回転数を調整する構成があります。この場合、差圧や静圧の測定値が自動制御に利用されます。
差圧と静圧の違い
| 項目 | 差圧 | 静圧 |
|---|---|---|
| 意味 | 2つの測定点の圧力の差 | 流体が持つ圧力成分の一つ |
| 測定対象 | 2点間の圧力差 | 特定の位置における静圧 |
| 使用例 | フィルター前後、室内と廊下 | ダクト内の静圧測定 |
差圧は、異なる2点の圧力を比較する考え方です。一方、静圧は流体の圧力状態を表す用語です。ダクトの静圧を2か所で測定し、その差を求めることもできます。
差圧センサーで測定する仕組み
差圧を測定する方法の一つが、差圧センサーを使用する方法です。一般的な差圧センサーには、高圧側と低圧側の2つの圧力接続口があります。
高圧側をP1、低圧側をP2とすると、差圧は次のように表せます。
差圧 = P1 − P2
センサーは圧力差を検出し、電圧や電流などの電気信号に変換します。空調・計装設備では、0-10V、2-10V、4-20mAなどの信号が使われる場合があります。
信号の種類や測定範囲は機器によって異なるため、センサーの仕様と、接続先のDDCなどの入力仕様を確認する必要があります。
差圧と中央監視・自動制御の関係
差圧センサーの測定値は、DDCなどのコントローラに取り込まれ、自動制御や中央監視に利用されることがあります。
差圧センサー → DDC → 中央監視
例えば、フィルター前後の差圧が設定値を超えた場合に、中央監視画面に警報を表示する構成があります。また、ダクトの圧力をもとにファンの回転数を調整するなど、測定値を制御に利用する場合もあります。
ただし、差圧を監視するだけの構成と、差圧を制御に利用する構成は異なります。実際の動作は、制御プログラムや設備の設計によって決まります。
差圧を確認するときの注意点
- 測定する2点と、高圧側・低圧側の接続を確認する
- 測定範囲と単位(Pa、kPaなど)を確認する
- センサーの出力信号とDDCの入力仕様が適合しているか確認する
- 警報の設定値が設備の設計条件に合っているか確認する
- 測定値だけで異常と判断せず、運転状態や他の計測値も確認する
差圧の値は、設備の運転状態や測定位置によって変化します。異常の原因を調べるときは、測定値の変化だけでなく、ファンの運転状態、フィルターの汚れ、ダンパーの状態なども合わせて確認します。
よくある質問
差圧の単位は何ですか?
空調設備ではPa(パスカル)がよく使われます。測定範囲や用途によってはkPaなどを使用する場合もあります。
差圧と圧力は何が違いますか?
圧力は特定の位置での圧力を表すのに対し、差圧は2つの測定点の圧力を比較した差を表します。
差圧が大きいと異常ですか?
必ずしも異常とは限りません。フィルターの目詰まりなどが原因となる場合もありますが、正常な運転条件でも差圧は発生します。設備の設計値や設定値と比較して判断する必要があります。

