送風機とは?空調設備で空気を送り出す機器の仕組みをわかりやすく解説

空調

この用語のポイント

送風機とは、モーターなどの動力を使って空気を送り出す機器です。

空調設備では、空調機で処理した空気をダクトへ送り出したり、室内の空気を排気したりするために使われます。

送風機を選定するときは、必要な風量と静圧を確認することが重要です。

また、インバータなどを使って回転速度を制御することで、必要な風量に合わせた運転を行うこともできます。

 

簡単に書くと

送風機は「空気を動かすための機械」です。

例えば、

空調機 → 送風機 → ダクト → 吹出口 → 室内

という流れで空気を送ります。

空調設備では、必要な量の空気を必要な場所まで届けるために使用されます。

 

送風機の仕組み

送風機は、主にモーターと羽根車などで構成されています。

モーターによって羽根車を回転させると、空気が吸い込まれ、圧力を与えられて吐き出されます。

基本的な流れは、

空気を吸い込む
↓
羽根車を回転させる
↓
空気にエネルギーを与える
↓
空気を吐き出す

というものです。

この働きによって、ダクト内に空気を流すための風量と圧力を生み出します。

 

送風機の主な種類

空調設備では、さまざまな種類の送風機が使用されます。

遠心送風機

遠心送風機は、羽根車を回転させて空気を遠心方向へ送り出すタイプの送風機です。

空調機や換気設備などで広く使われています。

ダクトなどの抵抗に対して必要な静圧を確保しやすいことから、建物の空調設備でもよく使用されます。

軸流送風機

軸流送風機は、羽根の回転軸方向へ空気を送り出すタイプです。

比較的大きな風量を扱いやすく、換気設備などで使用されます。

用途によって遠心送風機と使い分けられます。

 

送風機と風量

風量とは、一定時間に流れる空気の量です。

送風機では、必要な風量を確保することが重要です。

例えば、必要風量が3,600m³/hの設備であれば、送風機はその設備条件において必要な風量を供給できる必要があります。

ただし、送風機は風量だけで選ぶことはできません。

ダクトやフィルター、ダンパーなどによる圧力損失も考慮する必要があります。

詳しくは風量の記事で解説しています。

 

送風機と静圧

静圧とは、空気を押し出すための圧力のことです。

ダクト内を空気が流れると、ダクトの摩擦や曲がり、分岐、フィルター、ダンパーなどによって圧力損失が発生します。

送風機は、これらの抵抗に負けずに必要な風量を送れるだけの静圧を確保する必要があります。

つまり、送風機を選定するときには、

必要風量
+
必要静圧

の両方を確認することが重要です。

静圧については、別の記事で詳しく解説しています。

 

送風機の性能曲線

送風機の性能を確認するときには、性能曲線が使われることがあります。

性能曲線では、風量と静圧の関係を確認できます。

一般的には、風量が増えるほど送風機が発生できる静圧は低下する傾向があります。

設備側の圧力損失と送風機の性能を照らし合わせ、必要な風量と静圧を確保できる運転点を確認します。

送風機の選定では、この運転点が重要になります。

 

ダクトの圧力損失と送風機

空気がダクトを流れると、さまざまな場所で圧力損失が発生します。

例えば、

・ダクトの摩擦
・ダクトの曲がり
・分岐
・ダンパー
・フィルター
・吹出口

などです。

これらの圧力損失が大きくなるほど、送風機にはより大きな静圧が必要になります。

そのため、

送風機 → ダクト → ダンパー → フィルター → 吹出口

という空気の経路全体を考えて、必要な送風機性能を決めます。

 

送風機の制御方法

空調設備では、必要な風量に合わせて送風機を制御することがあります。

代表的な方法がインバータ制御です。

インバータを使うと、モーターの回転速度を変えることができます。

例えば、

必要風量が少ない
↓
送風機の回転速度を下げる
↓
送風量を減らす

という制御ができます。

反対に、必要風量が増えた場合には回転速度を上げます。

これにより、設備の負荷に合わせた運転が可能になります。

 

送風機とダンパー

送風機の風量を調整する方法として、ダンパーを使うこともあります。

ダンパーの開度を変えることで、ダクトを流れる空気の量を調整できます。

ただし、ダンパーを絞ると圧力損失が増えるため、送風機側に必要な静圧が変化します。

省エネルギーを考える場合には、単純にダンパーを絞るだけではなく、インバータなどを組み合わせて制御する方法も検討されます。

 

VAVと送風機

VAVは、空調エリアごとの風量を調整する装置です。

複数のVAVを設置した空調システムでは、各エリアの要求風量に応じて送風機の運転状態を調整することがあります。

例えば、

各VAVの要求風量が増える
↓
ダクト内の必要風量が増える
↓
送風機の回転速度を上げる

という制御を行う場合があります。

反対に、各エリアの負荷が小さくなれば送風機の回転速度を下げます。

このような制御によって、必要な風量を確保しながら送風機の消費電力を抑えることができます。

 

送風機とAHU

AHU(エアハンドリングユニット)には、送風機が組み込まれていることがあります。

AHUでは、外気や還気を取り込み、フィルターや冷却・加熱コイルなどで空気を処理します。

処理した空気を建物内へ送るために、送風機が使用されます。

基本的な流れは、

外気・還気
↓
フィルター
↓
冷却・加熱コイル
↓
送風機
↓
給気ダクト
↓
室内

となります。

AHUは、送風機と密接に関係する代表的な空調設備です。

 

送風機の設置場所と用途

送風機は、用途に応じてさまざまな場所で使用されます。

給気用送風機

空調機などで処理した空気を室内へ送るために使用します。

給気ダクトを通して各エリアへ空気を供給します。

還気用送風機

室内の空気を空調機側へ戻すために使用します。

空調システムによっては、還気を再び空調機で処理して利用します。

排気用送風機

室内の空気を屋外へ排出するために使用します。

トイレ、厨房、機械室など、排気が必要な場所で使用されます。

 

送風機の選定で考えること

送風機を選定するときには、次のような項目を確認します。

・必要風量
・必要静圧
・送風機の種類
・設置スペース
・モーター容量
・消費電力
・騒音
・運転方式
・メンテナンス性

特に「必要風量」と「必要静圧」は基本的な選定条件です。

設備の運転条件によって必要な性能が変わるため、実際の選定ではダクトやフィルターなどを含めたシステム全体を確認します。

 

送風機の異常と確認ポイント

送風機の運転に異常がある場合、さまざまな原因が考えられます。

例えば、

・風量が不足している
・異音がする
・振動が大きい
・モーターが過熱する
・フィルターが目詰まりしている
・ダンパーが適切に開いていない

などです。

風量不足の場合でも、送風機そのものだけでなく、フィルターやダクト、ダンパーなども確認する必要があります。

 

DDCと送風機

空調設備の自動制御では、DDCから送風機を制御することがあります。

例えば、

温度・風量・静圧などをセンサーで測定
↓
DDCが測定値を処理
↓
インバータへ制御指令
↓
送風機の回転速度を調整

という流れです。

このように、送風機は単独で動作するだけでなく、センサーやDDC、インバータなどと組み合わせて自動制御されることがあります。

DDCについては、空調設備の自動制御を理解するうえで重要な用語です。

 

よくある疑問

Q. 送風機とは何ですか?

A. モーターなどの動力を使って空気を吸い込み、必要な場所へ送り出す機器です。

Q. 送風機とファンは同じですか?

A. 空調設備ではほぼ同じ意味で使われることがあります。一般的に「ファン」は羽根車などの機構を含む呼び方で、「送風機」は空気を送る機器としての呼び方です。

Q. 送風機は何を基準に選びますか?

A. 主に必要な風量と静圧を確認します。そのほか、騒音、消費電力、設置スペース、運転方式なども考慮します。

Q. 送風機と静圧にはどのような関係がありますか?

A. ダクトやフィルターなどの抵抗に対応して必要な風量を送るために、送風機には必要な静圧が求められます。

Q. 送風機の風量はどうやって調整しますか?

A. インバータでモーターの回転速度を変えたり、ダンパーの開度を調整したりする方法があります。

Q. インバータで送風機を制御するメリットは何ですか?

A. 必要な風量に応じてモーターの回転速度を調整できるため、設備の負荷に合わせた運転がしやすくなります。

Q. 送風機とAHUはどのような関係ですか?

A. AHUには送風機が組み込まれていることがあり、処理した空気をダクトへ送り出すために使用されます。

Q. 風量が不足した場合は何を確認しますか?

A. 送風機だけでなく、フィルターの目詰まり、ダンパーの開度、ダクトの状態、圧力損失なども確認する必要があります。

 

関連用語

・風量

・風速

・静圧

・ダクト

・AHU

・VAV

・インバータ

・ダンパーアクチュエータ

・DDC

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