
電磁弁とは?
電磁弁とは、電磁力を利用して流体の流れを開閉するバルブです。コイルに電気を流すことで内部の可動部を動かし、流体の通路を開いたり閉じたりします。
空調・計装設備では、水や空気などの流れを自動的に切り替える用途に使われます。電磁弁は一般にON・OFF制御に適しており、流量を連続的に調整する用途には、電動弁など別の機器が適している場合があります。
電磁弁の仕組み
一般的な電磁弁は、コイル、可動鉄心、弁体などで構成されています。コイルに通電すると磁力が発生し、可動部が動いて流路を開閉します。
代表的な動作方式には、通電すると開くタイプと、通電すると閉じるタイプがあります。
- 常閉形(NC):通常は閉じており、通電すると開く。
- 常開形(NO):通常は開いており、通電すると閉じる。
ただし、停電時の状態や動作条件は機種によって異なります。選定時には、通常時だけでなく、電源が失われたときに流体を通す必要があるかどうかも確認します。
空調・計装設備での用途
1. 流体の供給・停止
電磁弁は、流体を通すか止めるかを切り替える用途に使われます。制御信号に応じて開閉することで、流体の供給を自動化できます。
2. 機器の運転に連動した開閉
設備の運転状態に合わせて流路を開閉する構成があります。例えば、機器の運転指令に連動して電磁弁を動作させる場合、制御回路やDDCの出力を使って開閉を制御します。
3. 空調関連機器の補助制御
設備の仕様によっては、加湿器や各種ユニットなどで流体の供給を制御するために電磁弁を使用します。実際に使える流体、圧力、温度の範囲は製品の仕様を確認してください。
電磁弁と電動弁の違い
| 項目 | 電磁弁 | 電動弁 |
|---|---|---|
| 主な駆動方式 | 電磁力 | 電動モーターなど |
| 主な用途 | 流体の開閉 | 流体の開閉や流量調整 |
| 制御方式 | ON・OFF制御が中心 | ON・OFFや開度調整など |
| 選定時の確認点 | コイル電圧、流体条件、開閉方式 | 電源、制御信号、必要な開度・トルク |
電動弁の中には開度を調整できるタイプがありますが、すべての電動弁が連続的な開度制御に対応しているわけではありません。用途と製品仕様に合わせて選定します。
DDC・リレーとの関係
空調・計装設備では、DDCなどの制御機器から出力された信号を使って電磁弁を開閉する構成があります。
- DDCが設定条件に基づいて出力信号を出す。
- 必要に応じてリレーなどを介して電磁弁のコイルを駆動する。
- 電磁弁が動作し、流体の通路を開閉する。
電磁弁のコイル電流がDDCの出力容量を超える場合などは、リレーを介する構成が検討されます。ただし、リレーの要否は出力仕様と電磁弁の定格によって決まります。
電磁弁を選定するときの注意点
コイルの定格電圧
コイルに必要な電圧を確認します。DC24VやAC100Vなど、製品によって仕様は異なります。電源電圧が合っていないと、正常に動作しなかったり、故障につながったりする可能性があります。
流体の種類と使用条件
使用する流体、圧力、温度、流量などが製品の適用範囲内であるかを確認します。水用の製品が、すべての流体に使えるわけではありません。
常開形・常閉形
通電時に開く必要があるのか、閉じる必要があるのかを確認します。停電時に必要な状態も、設備の仕様に合わせて選びます。
配管サイズと接続方式
配管径、接続方式、取付方向などを確認します。流れの方向が指定されている機種では、弁本体の表示や取扱説明書に従って設置します。
電源容量と制御回路
コイルの消費電力や電流を確認し、電源や出力回路が対応できるか確認します。必要に応じてリレーなどを使い、制御回路と負荷側の回路を適切に構成します。
電磁弁が動作しないときの確認方法
| 症状 | 主な確認項目 |
|---|---|
| 開閉しない | 電源電圧、制御信号、コイル、配線、弁本体 |
| 通電しても流体が流れない | 流体の供給、圧力条件、配管、弁の詰まり |
| 停止指令後も流体が止まらない | 弁体の異物噛み込み、シールの劣化、弁の仕様 |
| 頻繁に開閉する | 制御信号の変動、設定条件、電源、使用条件 |
確認するときは、制御信号が出ているか、コイルに規定の電圧がかかっているか、弁本体が正常に動作しているかを順番に切り分けます。流体の圧力や温度、電気回路には危険が伴う場合があるため、設備の安全手順に従って点検してください。
よくある質問
電磁弁は24VDCで動きますか?
DC24V仕様の電磁弁であれば、適切な電源と配線を使うことで動作します。電磁弁にはさまざまな電圧仕様があるため、銘板や仕様書を確認してください。
電磁弁で流量を50%に調整できますか?
一般的なON・OFF用の電磁弁は、流量を連続的に調整する用途には向いていません。流量を調整したい場合は、比例制御に対応した電動弁など、目的に合った機器を選びます。
電磁弁が動かない場合、最初に何を確認しますか?
電源電圧、制御信号、配線、コイルの状態を確認します。そのうえで、流体の供給条件や弁本体に問題がないかを調べます。

