
リレーとは?
リレーとは、電気信号を受けて内部の接点を切り替え、別の電気回路をON・OFFするための機器です。日本語では「継電器」とも呼ばれます。
空調・計装設備では、DDCの出力信号を受けて機器の運転回路を切り替えたり、制御回路と負荷側の回路を分けたりする目的で使用されます。
リレー自体がポンプやファンを直接動かすとは限りません。負荷の電流や電圧がリレーの接点定格を超える場合は、電磁接触器などを介して制御する構成が使われます。
リレーの仕組み
一般的な電磁リレーは、コイルに電流を流すと磁力が発生し、その力で内部の接点を切り替えます。コイルへの通電を止めると、通常はばねなどの力で接点が元の状態に戻ります。
リレーには、大きく分けて次の2つの部分があります。
- コイル側:リレーを動作させるための電気信号を受ける部分
- 接点側:切り替わることで、別の回路のON・OFFを制御する部分
コイル側と接点側が電気的に絶縁されているタイプでは、異なる回路を分けて制御できます。ただし、絶縁性能や使用条件は製品の仕様によって異なります。
a接点・b接点・c接点の違い
リレーの接点には、代表的なものとしてa接点、b接点、c接点があります。
| 種類 | 非動作時 | 動作時 | 主な特徴 |
|---|---|---|---|
| a接点 | 開いている | 閉じる | 通電などの動作によって回路をONにする |
| b接点 | 閉じている | 開く | 動作によって回路をOFFにする |
| c接点 | 共通端子がb接点側につながる | 共通端子がa接点側につながる | 1つの共通端子を2つの接点側で切り替える |
ここでいう非動作時とは、リレーのコイルに通電していない通常状態を指します。実際の接点構成や動作は、製品の仕様書や端子図で確認してください。
空調・計装設備でのリレーの用途
1. DDCの出力信号を使った機器制御
DDCのDO(デジタル出力)からリレーを動作させ、接点を切り替えて機器の運転・停止回路を制御する構成があります。
例えば、DDCの出力仕様と負荷側の回路が直接接続できない場合、リレーを中継することで回路を分けられます。ただし、DDCの出力がリレーのコイルを駆動できるか、電圧や電流の仕様を確認する必要があります。
2. 運転・故障信号の受け渡し
設備の運転状態や故障状態を、接点信号として別の制御回路や監視装置へ伝える用途にも使われます。
ただし、リレーの接点が切り替わったことと、機器が実際に運転していることは同じではありません。運転状態を確認するには、機器側の補助接点や別のフィードバック信号など、設計された確認方法を使います。
3. 制御回路の切り替え
複数の回路を切り替えたり、信号を中継したりする用途にも使用されます。必要な接点数や接点構成に応じて、適切なリレーを選びます。
リレーとDDCの関係
DDCは、センサーなどから受け取った情報をもとに設備を制御するコントローラです。リレーは、その制御信号に応じて接点を切り替える機器です。
例えば、次のような構成が考えられます。
- DDCが設備を運転するためのDO信号を出力する。
- リレーのコイルが動作する。
- リレーの接点が切り替わる。
- 接点を介して、機器の制御回路などに信号が伝わる。
実際の配線や制御方法は設備によって異なります。DDCの出力仕様、リレーのコイル仕様、接点の定格、負荷側の回路を確認して構成する必要があります。
リレーを選定するときの注意点
コイルの定格電圧
リレーのコイルに必要な電圧を確認します。DC24V仕様など、製品によって定格が異なります。制御電源やDDCの出力仕様と合っているかを確認してください。
コイルの消費電流
DDCの出力から直接リレーを駆動する場合、出力側が必要な電流を供給できるか確認します。出力容量を超える場合は、適切な中継回路などを検討します。
接点の定格
接点で切り替える回路の電圧や電流が、リレーの定格内に収まるか確認します。モーターなどの誘導性負荷では、起動時の電流や接点への負担も考慮する必要があります。
接点構成と接点数
a接点・b接点・c接点のどれが必要か、また必要な接点数はいくつかを確認します。既設回路の交換では、端子配列や接点構成が同じとは限らないため、型式と配線図を照合してください。
設置環境と保護
盤内の温度、湿度、振動、粉じんなどの環境条件を確認します。コイルのサージ対策や接点保護が必要な場合もあるため、メーカーの仕様に従って設計します。
リレーが動作しないときの確認方法
| 症状 | 確認する項目 |
|---|---|
| リレーが動作しない | コイル電圧、電源、配線、DDCの出力状態 |
| リレーは動作するが機器が動かない | 接点側の配線、接点の導通、負荷側の電源、機器の運転条件 |
| 接点信号が正しく伝わらない | a接点・b接点の選択、端子配線、接点の劣化 |
| リレーが頻繁にON・OFFする | 制御信号の変動、設定条件、コイル電圧、回路構成 |
確認作業では、まず図面や仕様書で回路構成を把握します。電圧測定や導通確認は、感電や短絡の危険があるため、必要な安全措置を取れる有資格者・担当者が実施してください。
リレーと電磁接触器の違い
リレーと電磁接触器は、どちらも電気回路を切り替える機器ですが、用途や定格が異なります。
- リレー:制御信号の中継や比較的小さな回路の切り替えなどに使われる。
- 電磁接触器:モーターなどの負荷回路を開閉する用途に使われる。
実際にどちらを使用するかは、負荷の種類、電流、開閉頻度、必要な耐久性などを踏まえて判断します。リレーの接点定格を超える負荷を、リレーで直接開閉しないよう注意が必要です。
よくある質問
リレーは何のために使いますか?
電気信号によって接点を切り替え、別の回路をON・OFFするために使います。空調・計装設備では、DDCの出力信号の中継や、機器の制御回路の切り替えなどに使用されます。
リレーのコイルに24VDCを接続すれば動きますか?
コイルがDC24V仕様であり、適切な電源と配線が使われていれば動作する構成があります。ただし、定格電圧だけでなく、コイル電流や極性の指定、出力側の容量も確認してください。
リレーが動作していれば、接点も正常ですか?
必ずしもそうとは限りません。コイルが動作していても、接点の劣化や配線不良などによって、回路が正常に切り替わらない場合があります。必要に応じて、仕様に沿って接点側も確認します。

