無電圧接点とは?
無電圧接点とは、接点を備えた機器が信号用の電圧を自ら出力するのではなく、接点の開閉状態によってON・OFFの情報を伝える方式です。「無電圧接点信号」や「ドライ接点」と呼ばれることもあります。
空調・計装設備では、ポンプやファンの運転状態、機器の故障状態、警報状態などをDDCや中央監視システムへ伝える用途に使われます。
ただし、無電圧接点だからといって、接点に電圧が存在しないとは限りません。受信側の回路から監視用の電圧を印加して、接点の開閉を検出する構成が一般的です。
無電圧接点の仕組み
無電圧接点は、スイッチのように回路を開いたり閉じたりして、状態を伝えます。
- 接点が閉じている:回路がつながっている状態
- 接点が開いている:回路が切れている状態
受信側のDDCなどは、この開閉状態を読み取って、運転・停止や正常・異常などの情報として扱います。
例えば、ポンプの運転に連動する補助接点をDDCへ接続すると、接点の状態からポンプの運転状態を監視できます。ただし、接点の開閉と実際の設備状態との対応は、機器の仕様や制御設計によって決まります。
空調・計装設備での使用例
1. ポンプやファンの運転状態
ポンプやファンの補助接点などを使い、運転状態をDDCへ伝えます。DDCは接点の状態をDI(デジタル入力)として取り込み、中央監視画面に表示する構成があります。
2. 機器の故障・警報信号
機器に備わる故障接点や警報接点を使い、異常の発生を監視します。異常時に接点が開くタイプと閉じるタイプがあるため、信号の仕様を確認する必要があります。
3. 外部機器との状態信号の受け渡し
空調機器や制御盤などに備わる接点を利用して、別の機器へ状態情報を伝えることがあります。接点の定格、接続先の入力仕様、必要な絶縁条件などを確認して接続します。
無電圧接点と有電圧信号の違い
無電圧接点と有電圧信号の違いは、状態を伝える方法にあります。
| 項目 | 無電圧接点 | 有電圧信号 |
|---|---|---|
| 伝え方 | 接点の開閉状態で伝える | 電圧の有無や電圧値で伝える |
| 信号源 | 接点を持つ機器と受信側回路で構成する | 信号源から電圧が出力される |
| 確認事項 | 接点定格、開閉状態、入力回路の仕様 | 信号電圧、極性、入力範囲 |
どちらが適しているかは、機器の出力仕様と受信側の入力仕様によって異なります。無電圧接点用の入力へ有電圧信号をそのまま接続すると、故障につながる可能性があるため注意してください。
無電圧接点とa接点・b接点の関係
無電圧接点は信号の伝達方式を表す言葉で、a接点・b接点は接点の動作形式を表す言葉です。両者は同じ分類ではありません。
- a接点:通常は開いており、動作すると閉じる接点
- b接点:通常は閉じており、動作すると開く接点
- c接点:共通端子がa接点側とb接点側に切り替わる接点
無電圧接点として、a接点やb接点を使用する構成があります。実際の動作状態は、機器の仕様書や端子図で確認してください。
DDCのDIとの関係
DDCのDI(デジタル入力)は、接点の開閉などのON・OFF状態を取り込むための入力です。無電圧接点をDIへ接続する場合、DDC側の入力回路が接点の状態を検出できる仕様であることを確認します。
代表的な信号の流れは次のとおりです。
- ポンプなどの機器が運転・停止する。
- 機器に連動する接点が開閉する。
- DDCのDIが接点の状態を読み取る。
- DDCから中央監視システムへ状態情報が伝わる。
この構成では、無電圧接点が状態を伝え、DDCが入力信号を処理し、中央監視が状態を表示します。すべての設備が同じ構成とは限りません。
無電圧接点を接続するときの注意点
- 接点の定格電圧・電流が、接続する回路の条件に適合しているか確認する。
- 受信側が無電圧接点入力に対応しているか確認する。
- 接点が開いたときと閉じたとき、どちらをONとして扱うか確認する。
- 機器の端子図や配線図を確認し、共通端子などを正しく接続する。
- 有電圧出力と無電圧接点を取り違えないようにする。
接点の状態だけで、設備が実際に運転しているかどうかを完全に判断できるとは限りません。必要に応じて、運転指令と運転フィードバックを分けて確認します。
無電圧接点の異常時に確認すること
| 症状 | 確認する項目 |
|---|---|
| 状態が変化しない | 接点の動作、配線の断線、入力回路、機器側の状態 |
| 実際の状態と表示が逆 | a接点・b接点の種類、入力設定、信号の論理 |
| 中央監視に状態が表示されない | DDCのDI、端子配線、入力設定、通信・表示設定 |
| 信号が不安定 | 接点の劣化、端子の緩み、配線、機器の動作状態 |
点検時は、機器側の接点状態、配線、DDCの入力値、中央監視の表示を順に照合すると、原因を切り分けやすくなります。電気回路の確認は、設備の安全手順に従って実施してください。
よくある質問
無電圧接点には電圧がまったくかかっていないのですか?
必ずしもそうではありません。無電圧接点は、接点を持つ機器が信号電圧を出力する方式ではないという意味です。接点の状態を検出するため、受信側の回路から電圧が印加される構成があります。
無電圧接点がONなら、機器は運転中ですか?
必ずしもそうとは限りません。接点のON・OFFと機器の運転状態との対応は、制御仕様によって決まります。図面や仕様書で、どの状態を示す信号なのか確認してください。
無電圧接点をDIに接続すれば使えますか?
DDCのDIが対象の接点入力に対応していれば使用できる構成があります。ただし、入力回路の方式や接点の定格、配線方法を確認してから接続する必要があります。

