フィルターとは?空調設備で使われるエアフィルターの仕組みをわかりやすく解説

空調

この用語のポイント

フィルターとは、空気に含まれるほこりや粉じんなどを捕集するための機器です。

空調設備では、AHUや空調機などにフィルターを設置し、空気中の異物を取り除きます。

フィルターは室内の空気環境を維持するだけでなく、空調機内部のコイルや送風機などを汚れから守る役割もあります。

一方で、フィルターにほこりがたまると空気が通りにくくなり、圧力損失が大きくなるため、定期的な点検・清掃・交換が重要です。

 

簡単に書くと

フィルターは「空気をきれいにするためのろ過材」です。

空調設備では、外気や還気を空調機へ取り込む際にフィルターを通し、空気中のほこりや粉じんなどを捕集します。

基本的な流れは、

空気
↓
フィルター
↓
きれいになった空気
↓
コイル・送風機
↓
室内

というイメージです。

 

フィルターの役割

空調設備のフィルターには、主に次のような役割があります。

・空気中のほこりや粉じんを捕集する

・空調機内部の機器を汚れから守る

・コイルなどへの付着を抑える

・室内の空気環境を維持する

フィルターは単純に空気を通すだけの部品ではなく、空調設備全体の性能を維持するためにも重要な機器です。

 

AHUとフィルター

AHU(エアハンドリングユニット)では、空気を処理する工程の中にフィルターが組み込まれています。

一般的には、

外気・還気
↓
フィルター
↓
冷却・加熱コイル
↓
加湿器など
↓
送風機
↓
給気

という流れで空気を処理します。

フィルターによって空気中のほこりなどを取り除くことで、その後のコイルや送風機などが汚れるのを抑えます。

AHUについては、別の記事で詳しく解説しています。

 

フィルターの主な種類

フィルターには、用途や捕集性能によってさまざまな種類があります。

プレフィルター

プレフィルターは、比較的大きなほこりや粉じんなどを捕集するために使用されます。

空調機の最初の段階に設置されることが多く、後段のフィルターを保護する役割もあります。

比較的メンテナンスしやすく、定期的な清掃や交換によって性能を維持します。

中性能フィルター

中性能フィルターは、プレフィルターよりも細かな粒子を捕集するために使用されます。

オフィスビルや商業施設など、一般的な建物の空調設備でも使用されます。

必要な清浄度と圧力損失のバランスを考えて選定します。

高性能フィルター

高性能フィルターは、より細かな粒子を高い効率で捕集するために使用されます。

病院やクリーンルームなど、高い空気清浄度が求められる場所で使用されることがあります。

ただし、捕集性能が高いほど圧力損失が大きくなる場合があるため、送風機の能力も含めて検討する必要があります。

活性炭フィルター

活性炭フィルターは、活性炭の吸着作用を利用して、臭気成分やガス状物質などを取り除く目的で使用されます。

一般的な粒子用フィルターとは役割が異なるため、対象となる物質に応じて使い分けます。

 

フィルターの仕組み

フィルターは、繊維などで作られたろ材に空気を通すことで、空気中の粒子を捕集します。

粒子がろ材を通過するときに、

・ろ材に引っ掛かる

・粒子同士が衝突する

・ろ材に付着する

などの作用によって粒子が捕集されます。

フィルターの種類によって構造や捕集の仕組みは異なります。

そのため、フィルターを選定するときには「どのような粒子をどの程度取り除く必要があるか」を考えることが重要です。

粒子の大きさと捕集性能

空気中には、さまざまな大きさの粒子が存在します。

例えば、

・大きなほこり

・花粉

・細かな粉じん

・PM2.5などの微小粒子

などがあります。

フィルターによって対応できる粒子の大きさや捕集性能が異なるため、用途に応じた選定が必要です。

なお、フィルターの性能は製品の規格や試験方法によって評価されるため、単純に「高性能フィルターならすべての粒子を除去できる」と考えることはできません。

 

フィルターと圧力損失

フィルターは空気をきれいにする一方で、空気が通過するときに抵抗が発生します。

この抵抗によって生じる圧力の低下を圧力損失といいます。

フィルターが新品の状態では比較的圧力損失が小さくても、使用しているうちにほこりがたまると空気が通りにくくなり、圧力損失が大きくなることがあります。

そのため、フィルターの状態を確認するときには、目視だけでなく差圧を確認することもあります。

静圧や差圧とも関係する重要なポイントです。

 

フィルターが目詰まりするとどうなる?

フィルターにほこりがたまることを目詰まりといいます。

目詰まりが進むと、空気が通りにくくなり、フィルター前後の圧力差が大きくなることがあります。

その結果、

・風量が低下する

・送風機への負荷が増える

・必要な静圧が大きくなる

・消費電力が増える可能性がある

・室内へ必要な空気を送れなくなる

などの問題につながる場合があります。

そのため、フィルターは定期的に状態を確認する必要があります。

 

フィルターと風量の関係

フィルターが目詰まりすると圧力損失が増加し、設備条件によっては風量が低下することがあります。

例えば、

フィルターがきれい
↓
空気が通りやすい
↓
圧力損失が小さい

という状態に対して、

フィルターが目詰まり
↓
空気が通りにくい
↓
圧力損失が大きい
↓
風量が低下する可能性

という変化が起こります。

そのため、空調設備ではフィルターの状態と風量をセットで確認することがあります。

風量についても、空調設備を理解するうえで基本となる用語です。

 

フィルターと差圧

フィルターの目詰まり状態を確認する方法の一つが差圧測定です。

フィルターの前後に圧力測定点を設け、その圧力差を確認します。

フィルターが目詰まりすると、一般的に前後の差圧が大きくなります。

そのため、差圧を監視することで、フィルターの交換時期を判断するための目安にすることができます。

ただし、実際の交換基準はフィルターの種類や設備仕様などによって異なります。

 

フィルターと送風機の関係

送風機は、ダクトやフィルターなどの抵抗に負けないように空気を送り出す必要があります。

フィルターが目詰まりすると圧力損失が大きくなるため、送風機が必要とする静圧も変化します。

そのため、

フィルターの目詰まり
↓
圧力損失の増加
↓
必要静圧の増加
↓
風量への影響

という関係を考えることが重要です。

送風機については、風量や静圧との関係も含めて解説しています。

 

フィルターと省エネルギー

フィルターの管理は、省エネルギーにも関係します。

目詰まりしたフィルターでは圧力損失が大きくなり、送風機がより大きな負荷で運転することがあります。

そのため、フィルターを適切に管理することは、空調設備を効率よく運転するためにも重要です。

ただし、フィルターの交換時期を早くすれば必ず省エネになるわけではありません。

必要な清浄度、フィルターの性能、圧力損失、交換コストなどを総合的に考える必要があります。

 

フィルターの点検・交換

フィルターは定期的に状態を確認します。

確認する項目としては、

・フィルターの汚れ

・目詰まり

・破損

・取り付け状態

・差圧

などがあります。

汚れが進んだ場合は、清掃できるタイプであれば清掃し、交換が必要なタイプであれば新しいものに交換します。

交換時期は、フィルターの種類や設備の運転時間、設置環境などによって異なります。

 

中央監視でのフィルター監視

中央監視システムを導入している建物では、フィルター前後の差圧などを監視する場合があります。

例えば、

差圧センサー
↓
DDC
↓
中央監視

という形で情報を取り込み、フィルターの状態を確認することができます。

差圧が設定した値を超えた場合に警報を出すことで、フィルターの点検や交換が必要なことを知らせる運用も可能です。

 

フィルター選定で考えること

フィルターを選定するときには、単純に捕集性能だけを見るのではなく、設備全体とのバランスを考える必要があります。

主な確認項目は、

・必要な清浄度

・対象となる粒子

・捕集性能

・圧力損失

・風量

・フィルターのサイズ

・交換や清掃のしやすさ

・設置環境

などです。

捕集性能を高くすると、場合によっては圧力損失が大きくなることがあります。

そのため、空調機や送風機の能力も含めて適切なフィルターを選定します。

 

よくある疑問

Q. フィルターとは何ですか?

A. 空気中のほこりや粉じんなどを捕集するための機器です。空調設備では空調機やAHUなどに設置されます。

Q. フィルターが目詰まりするとどうなりますか?

A. 空気が通りにくくなり、圧力損失が大きくなることがあります。その結果、風量が低下したり、送風機の負荷が増えたりする可能性があります。

Q. フィルターの目詰まりはどうやって確認しますか?

A. 目視による汚れの確認のほか、フィルター前後の差圧を測定して状態を確認する方法があります。

Q. フィルターと差圧にはどのような関係がありますか?

A. フィルターが目詰まりすると、一般的にフィルター前後の差圧が大きくなります。そのため、差圧は目詰まり状態を確認する指標の一つになります。

Q. フィルターが汚れると風量は低下しますか?

A. 目詰まりによる圧力損失の増加によって、設備条件によっては風量が低下することがあります。

Q. 高性能フィルターなら何でもよいですか?

A. 必ずしもそうではありません。捕集性能だけでなく、圧力損失、必要な清浄度、送風機の能力、メンテナンス性などを総合的に考える必要があります。

Q. フィルターはどのくらいで交換しますか?

A. 一律の交換時期があるわけではありません。フィルターの種類、使用環境、運転時間、汚れや差圧の状態などを確認して判断します。

Q. フィルターと送風機は関係ありますか?

A. 関係があります。フィルターの圧力損失が大きくなると、送風機に必要な静圧や運転状態にも影響することがあります。

 

関連用語

・AHU

・送風機

・風量

・風速

・静圧

・差圧

・DDC

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