Ethernetとは?空調・計装で使われるネットワークの基本をわかりやすく解説

通信・ネットワーク

Ethernetとは?

Ethernet(イーサネット)は、有線ネットワークで機器同士を接続し、データをやり取りするための通信技術です。オフィスのLANだけでなく、空調・計装設備でも中央監視システム、DDC、電力計などの接続に使われます。

ただし、Ethernetはネットワークの通信基盤であり、機器同士がどのようなデータをやり取りするかを決める通信プロトコルとは別のものです。

Ethernet・LAN・IPアドレスの違い

用語 役割
Ethernet 有線ネットワークでデータを送受信するための技術
LAN 建物内など、限られた範囲に構築されたネットワーク
IPアドレス IPネットワーク上で機器を識別するためのアドレス
通信プロトコル 機器間でデータをやり取りするためのルール

例えば、Ethernetを使ったLANに中央監視システムとDDCを接続し、それぞれにIPアドレスを設定する構成があります。そのネットワーク上でBACnet/IPやModbus TCPなどのプロトコルを利用して設備データをやり取りします。

空調・計装設備でのEthernetの構成例

中央監視システムとDDCを接続する場合、次のような構成が考えられます。

中央監視システム
↓
スイッチングハブ
├─ DDC
├─ 電力計
└─ 対応する設備機器

各機器がEthernetに対応していれば、ネットワークを通じて接続できます。ただし、Ethernetで物理的に接続できることと、設備データを通信できることは別です。データをやり取りするには、機器同士が対応する通信プロトコルや設定も確認する必要があります。

スイッチングハブの役割

スイッチングハブは、複数のネットワーク機器を接続し、機器間のデータ通信を中継する装置です。

例えば、中央監視システム、DDC、電力計をそれぞれスイッチングハブに接続することで、同じネットワーク内で通信できる構成を作れます。

ただし、スイッチングハブに接続するだけで必ず通信できるわけではありません。IPアドレスやネットワーク設定、通信プロトコル、機器の対応機能なども適切に設定する必要があります。

IPアドレスとの関係

Ethernetを利用するネットワークでは、IP通信を行う機器にIPアドレスを設定する構成が一般的です。

例えば、次のように設定されているとします。

機器 IPアドレスの例
中央監視システム 192.168.1.10
DDC 192.168.1.20
電力計 192.168.1.30

これは説明用の例です。実際のアドレスは、建物のネットワーク設計や管理ルールに従って設定します。

同じネットワークに接続されていても、IPアドレスやサブネットマスクなどの設定が適切でなければ通信できないことがあります。また、異なるネットワーク間の通信には、ルーティングなどの設定が関係します。

EthernetとBACnet/IPの関係

BACnet/IPは、IPネットワーク上でBACnet通信を行う方式です。Ethernetはそのネットワークを構成する技術の一つとして利用されます。

例えば、中央監視システムとDDCをEthernetネットワークに接続し、BACnet/IPを使って温度や運転状態などのデータをやり取りします。

つまり、Ethernetはネットワークの基盤、BACnet/IPは建物設備の情報を交換するための通信方式と考えると整理しやすくなります。

BACnetとは?、BACnet/IPとは?も参照してください。

EthernetとModbus TCPの関係

Modbus TCPも、Ethernetなどを利用したIPネットワーク上で使われる通信方式です。

例えば、Modbus TCPに対応した電力計をネットワークに接続し、DDCや監視システムから電力値などを取得する構成があります。

Ethernetに対応している機器でも、BACnet/IPやModbus TCPなど、どのプロトコルに対応しているかは機器によって異なります。接続前に仕様を確認してください。

Modbusとは?も参照してください。

Ethernet接続で確認するポイント

  • 機器のEthernetポートやケーブルが適切に接続されているか
  • IPアドレスやサブネットマスクなどが適切に設定されているか
  • 接続する機器が必要な通信プロトコルに対応しているか
  • スイッチングハブやルーターなどのネットワーク構成が適切か
  • ファイアウォールなどが必要な通信を遮断していないか
  • 機器側の通信設定やデータ登録が正しいか

設備ネットワークでは、通信ができない原因が配線だけとは限りません。物理的な接続、IPネットワーク、通信プロトコル、機器の設定を分けて確認すると、原因を切り分けやすくなります。

通信できないときの確認例

症状 確認する項目
ネットワークに接続できない ケーブル、ポート、電源、リンク状態
機器に接続できない IPアドレス、サブネットマスク、ネットワーク経路
機器には接続できるが値が取得できない 通信プロトコル、ポート設定、データ登録、機器の対応機能
一部の機器だけ通信できない 対象機器の設定、配線、ネットワーク構成

ネットワーク設定を変更する場合は、既存設備への影響を考慮し、建物のネットワーク管理ルールや担当者の指示に従ってください。

よくある質問

Ethernetとインターネットは同じですか?

同じではありません。Ethernetは有線ネットワークで通信するための技術です。インターネットは、世界中のネットワークが相互接続された仕組みです。Ethernetを使った建物内のネットワークが、インターネットに接続されていない構成もあります。

Ethernetで接続すれば、異なるメーカーの機器も通信できますか?

Ethernetで接続できても、それだけではデータ通信ができるとは限りません。双方の機器が対応する通信プロトコルや必要な機能を確認する必要があります。

空調設備のネットワークはインターネットにつながっていますか?

建物の設計や運用方針によって異なります。設備専用のネットワークを構築する場合もあれば、管理用ネットワークと連携する場合もあります。接続範囲やセキュリティ対策は、設備の仕様と管理方針に従って確認してください。

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