一言でいうと
CAVとは、Constant Air Volume(コンスタント・エア・ボリューム)の略で、空調設備において「風量をほぼ一定にして空調する方式」のことです。
VAVのように室内の負荷に応じて風量を変化させるのではなく、基本的に一定の風量を供給し、温度を調整することで室内環境を整えます。
CAVとは?
CAVは、空調機から室内へ送る空気の風量を一定に保つ空調方式です。
室内の温度を調整するときは、主に供給する空気の温度を変化させます。
例えば、室温を下げたい場合は、冷たい空気を一定風量で送ります。
一方、VAVでは室温や負荷などに応じて風量そのものを変化させます。
そのため、CAVとVAVは「風量を一定にするか、変化させるか」という点が大きな違いです。
CAVは何をするもの?
CAVでは、主に以下のような方法で室内環境を調整します。
・風量を一定に保つ
・供給する空気の温度を調整する
・室内温度を適切な範囲に保つ
例えば、空調機から毎時一定量の空気を送風し、その空気を冷やしたり温めたりすることで室内温度を調整します。
つまりCAVでは、
「風量を変える」のではなく「空気の温度を変える」
ことで空調負荷に対応するのが基本的な考え方です。
CAVはどこで使われる?
CAVは、風量を大きく変化させる必要がない場所などで使用されます。
例えば、
・一定の空調負荷が想定される部屋
・比較的温度変化が少ないエリア
・一定量の換気が必要な場所
・小規模な空調システム
などです。
ただし、実際の設備では建物の用途や空調負荷、換気量などを考慮して方式が選定されます。
CAVの仕組み
CAVの基本的な仕組みはシンプルです。
空調機で空気を冷却・加熱し、一定の風量で室内へ送ります。
例えば冷房の場合、
外気・還気
↓
空調機
↓
冷却コイル
↓
一定風量で送風
↓
室内
という流れになります。
室内温度が高くなった場合には、供給する空気の温度を下げることで室温を調整する方法などが考えられます。
実際の制御方法は設備によって異なります。
CAVとVAVの違い
CAVとVAVの大きな違いは、空調負荷に対して「風量を変えるかどうか」です。
CAVは、基本的に一定の風量で空気を送ります。
一方、VAVは空調負荷に応じて風量を変化させます。
例えば、
CAV
→ 風量は基本的に一定
→ 空気の温度を調整する
VAV
→ 風量を変化させる
→ 必要な風量に応じて送風量を調整する
という違いがあります。
VAVについては、以下の記事で詳しく解説しています。
「VAVとは?空調設備で使われる可変風量装置をわかりやすく解説」
CAVとVAVの使い分け
CAVとVAVは、どちらが常に適しているというものではありません。
建物の用途や部屋の大きさ、空調負荷、必要な換気量などによって適した方式が変わります。
CAVは、風量を一定にして運用することが適している場所で使用されます。
VAVは、部屋ごとの空調負荷が変化する場合などに、必要な風量へ調整することができます。
そのため、複数の部屋を空調する場合には、部屋ごとの負荷変動などを考慮して方式を選定します。
CAVのメリット
CAVには、以下のような特徴があります。
風量制御が比較的シンプル
基本的に風量を一定にするため、風量を頻繁に変化させる制御が必要ありません。
そのため、システム構成を比較的シンプルにできます。
一定の換気量を確保しやすい
一定風量で送風するため、必要な換気量を確保する設計と相性が良い方式です。
ただし、実際に必要な換気量を確保できるかどうかは、設備全体の設計によって決まります。
構成を理解しやすい
VAVのように各エリアの風量を細かく変化させる必要がないため、空調システムの考え方が比較的シンプルです。
CAVのデメリット
一方で、CAVには注意点もあります。
空調負荷が小さくても一定風量を送る
必要な空調負荷が小さくなった場合でも、基本的には一定風量で送風します。
そのため、負荷に応じて風量を細かく調整するVAVと比べると、状況によってはエネルギー面で不利になることがあります。
部屋ごとの負荷変動への対応
部屋ごとに空調負荷が大きく異なる場合、一定風量での空調では細かな対応が難しい場合があります。
このような場合には、VAVなどの可変風量方式が検討されます。
CAVとダンパーの関係
CAV方式の空調設備でも、ダンパーは使用されます。
ただし、VAVで使用されるVAVユニットのように、室内負荷に応じて風量を大きく変化させることが目的とは限りません。
ダンパーは、風量調整や空気の流れの切り替え、遮断など、設備の構成に応じてさまざまな目的で使用されます。
CAVとインバータの関係
CAV方式だからといって、必ずしも送風機が一定速度で運転されるとは限りません。
設備の構成によっては、送風機にインバータを使用して運転状態を調整する場合もあります。
そのため、
CAV = 送風機が常に一定速度
という意味ではありません。
CAVはあくまで空調方式として「風量を一定にする」という考え方を示す言葉です。
CAVとDDCの関係
CAV方式の空調設備でも、DDCなどのコントローラが使用される場合があります。
DDCは、センサーなどから温度や圧力などの情報を受け取り、空調設備を自動制御するためのコントローラです。
CAV方式では、例えば空調機の温度制御などにDDCが関係することがあります。
ただし、CAVとDDCは同じ種類の言葉ではありません。
CAV
→ 空調方式
DDC
→ 自動制御を行うコントローラ
という違いがあります。
CAVで確認される主な情報
CAV方式の空調設備では、設備構成に応じて以下のような情報が扱われます。
・室内温度
・給気温度
・還気温度
・外気温度
・送風機の運転状態
・空調機の運転状態
・フィルターなどの警報
・ダンパーの状態
実際にどの情報を計測・監視するかは、設備の仕様によって異なります。
CAVと定風量制御
CAVの「定風量」は、単純に風量を固定するだけではありません。
実際の設備では、送風機やダンパーなどを組み合わせて、必要な風量を維持する制御が行われる場合があります。
そのため、CAVを理解するときは、
「一定風量で空調する方式」
という基本的な考え方を押さえたうえで、実際の設備構成を見ることが重要です。
まとめ
CAVとは、Constant Air Volumeの略で、一定の風量で空調を行う方式です。
ポイントをまとめると、
・CAVは定風量方式
・基本的に一定の風量で空気を送る
・空気の温度を調整して室内環境を整える
・VAVは風量を変化させるのに対して、CAVは風量を基本的に一定にする
・建物の用途や空調負荷などによって方式が選定される
・CAVとDDCは別の概念で、CAVは空調方式、DDCは制御機器を指す
という特徴があります。
空調設備を理解するうえでは、CAVとVAVの違いを押さえておくと、風量制御の考え方が理解しやすくなります。
関連用語
・VAV
・空調機(AHU)
・ダンパー
・インバータ
・DDC
・給気
・還気
・外気
・風量

