風量とは?
風量とは、一定時間に流れる空気の量を表す値です。空調設備では、空調機から送られる空気や、ダクトを通って各部屋に供給される空気の量を表すために使われます。
例えば、1時間に3,600m³の空気が流れる場合、風量は3,600m³/hです。風量は、空調設備の設計や機器選定、試運転、運転状態の確認などに使われる基本的な指標です。
風量の単位
風量には、主に次の単位が使われます。
| 単位 | 意味 | 使用例 |
|---|---|---|
| m³/h | 1時間あたりの空気の量 | 空調機の定格風量 |
| m³/min | 1分あたりの空気の量 | 送風量の表示や計算 |
| m³/s | 1秒あたりの空気の量 | 流体計算など |
単位を換算するときは、時間の単位に注意します。
- m³/hからm³/minに換算:60で割る
- m³/hからm³/sに換算:3,600で割る
- m³/sからm³/hに換算:3,600を掛ける
例えば、3,600m³/hは60m³/min、または1m³/sです。
風量と風速の違い
風量と風速は関連していますが、意味は異なります。
- 風量:一定時間に流れる空気の量
- 風速:空気が流れる速さ
ダクト内の平均風速と断面積が分かれば、次の式で風量を求められます。
風量(m³/s)=平均風速(m/s)×断面積(m²)
例えば、ダクトの断面積が0.5m²、平均風速が4m/sの場合、風量は次のようになります。
0.5 × 4 = 2m³/s
m³/hに換算すると、2 × 3,600 = 7,200m³/hです。
実際の測定では、ダクト内の風速分布や測定位置などを考慮する必要があります。
風量と換気量の違い
風量は空気の流れる量全般を表します。一方、換気量は、室内の空気を外気と入れ替えるために取り入れる外気量や、室内から排出する空気量を指す文脈で使われます。
空調機から室内へ送られる空気には、外気だけでなく室内から戻ってきた還気が含まれる場合があります。そのため、空調機の送風量と外気量は同じとは限りません。
換気性能を確認するときは、送風量だけでなく、外気量や排気量など、何を測定しているかを確認することが重要です。
空調設備で風量が使われる場面
AHU(空調機)
AHUは、空気の温度や湿度などを調整して建物内へ送る空調機です。機器の選定や運転確認では、必要な送風量を確保できるかを確認します。
VAV(可変風量装置)
VAVは、空調エリアの負荷などに応じて風量を調整する方式、またはそのための装置です。ダンパーの開度を変えることで、各エリアに供給する風量を調整します。
送風機・ファン
送風機は、空気を移動させる機器です。必要な風量を確保するには、風量だけでなく、ダクトやフィルターなどによる圧力損失も考慮する必要があります。
ダクト
ダクトは、空調機から各エリアへ空気を送るための通路です。ダクトの寸法を決めるときは、必要な風量と風速、騒音、圧力損失などを考慮します。
風量を測定する方法
風量は、風速計や風量測定器などを使って確認できます。測定方法は、測定する場所や設備の構造によって異なります。
- ダクト内の複数の位置で風速を測定し、平均風速と断面積から風量を求める
- 吹出口や吸込口で風量測定器を使用する
- 機器の表示値や制御システムの測定値を確認する
機器の表示値は、実際の風量を直接測定した値とは限りません。試運転や風量調整では、測定方法や機器の仕様を確認し、必要に応じて実測値と比較します。
風量が不足するとどうなる?
必要な風量が確保されていないと、室内が設定温度になりにくくなったり、場所によって暑さや寒さに差が生じたりすることがあります。換気量が不足する可能性もあります。
風量不足が疑われる場合は、次の項目を確認します。
- フィルターが目詰まりしていないか
- ダンパーが適切な開度になっているか
- 送風機が正常に運転しているか
- ダクトに閉塞や漏れがないか
- VAVなどの風量設定や制御指令が適切か
- ダクト内の静圧が想定どおりか
風量不足の原因は一つとは限りません。測定値、設定値、機器の動作を順番に確認し、設備の仕様書やメーカーの手順に従って原因を切り分けます。
よくある質問
風量の単位は何ですか?
空調設備ではm³/hがよく使われます。ほかにm³/minやm³/sなどがあります。
風量が多ければ空調能力も高くなりますか?
必ずしもそうとは限りません。空調能力には風量だけでなく、供給空気と室内空気の温度差なども関係します。
VAVと風量にはどのような関係がありますか?
VAVはダンパーの開度などを調整して、各エリアへ供給する風量を変化させます。
風量と換気量は同じですか?
同じとは限りません。風量は空気の流れる量全般を表し、換気量は室内外の空気の入れ替えに関係する量を指します。

