電動弁とは、電動アクチュエータを使って、配管内の流体を通す・止める・流量を調整するバルブです。空調設備では、冷水や温水の流量を調整し、空調機やファンコイルユニット(FCU)の冷暖房能力を制御するために使われます。
電動弁を理解するには、バルブ本体の役割と、バルブを動かす電動アクチュエータの役割を分けて考えることが重要です。
電動弁の仕組み
電動弁は、主にバルブ本体と電動アクチュエータで構成されます。アクチュエータが電気信号や開閉指令を受け取り、バルブを動かします。
- 温度センサーなどが室温や水温を測定する
- DDCなどのコントローラが測定値をもとに制御量を決める
- コントローラが電動アクチュエータへ指令を出す
- アクチュエータがバルブを動かす
- 冷温水の流量が変化し、空調能力が調整される
実際の動作は、バルブの種類や制御方式によって異なります。開閉だけを行うタイプと、開度を連続的に調整できるタイプがあります。
電動弁の主な種類
| 種類 | 特徴 | 主な用途 |
|---|---|---|
| 開閉制御型 | 全開・全閉などの動作を行う | 流体の通過・停止 |
| 比例制御型 | 入力信号などに応じて開度を調整する | 冷温水流量の調整 |
| 二方弁型 | 主に2つの接続口を持つ | 配管の流量調整 |
| 三方弁型 | 3つの接続口を持ち、流路の切替や混合などを行う | 流体の分配・混合 |
「電動弁」は動かし方に着目した呼び方です。一方、「二方弁」「三方弁」は主に接続口の数や流路構成に着目した呼び方です。そのため、三方弁に電動アクチュエータを組み合わせた電動弁もあります。
空調設備での使用例
AHUの冷却コイルを例にすると、室温が設定値より高いときに冷水の流量を増やし、冷却能力を高める制御が考えられます。
室温センサー → DDC → 電動弁 → 冷水流量の調整 → 冷却能力の調整
これは代表的な構成例です。実際の制御動作は、制御プログラムや設備設計によって異なります。
電動弁とDDCの関係
DDCは、センサーから受け取った測定値をもとに制御判断を行うコントローラです。電動弁は、その指令に応じて流量を調整する操作端として使われます。
電動弁への指令には、ON・OFF信号や、0~10V、2~10Vなどのアナログ信号が使用される場合があります。どの信号を使うかは、アクチュエータの仕様によって決まります。
接続する際は、電源電圧、制御入力、必要な出力信号、動作方向などを確認する必要があります。
電動弁の選定時に確認すること
- 流体の種類:冷水、温水など
- バルブの口径と接続方式
- 必要な流量と圧力条件
- 開閉制御か比例制御か
- アクチュエータの電源電圧
- 制御信号の種類と入力仕様
- 停電時や故障時の動作
- 設置環境や保守スペース
特に、コントローラの出力信号とアクチュエータの入力仕様が一致しているかは、導入時に確認すべきポイントです。
電動弁が動作しないときの確認ポイント
- コントローラから運転指令が出ているか確認する
- アクチュエータの電源と配線を確認する
- 制御信号の種類と設定を確認する
- アクチュエータの動作方向や開度表示を確認する
- バルブ本体の固着や、配管側の異常がないか確認する
動作不良の原因は、電源や信号の問題だけでなく、アクチュエータやバルブ本体、配管条件にある場合もあります。点検は設備の安全手順とメーカーの取扱説明書に従って行います。
