ポンプとは?空調設備で使われるポンプの種類と役割をわかりやすく解説

空調

ポンプとは、液体にエネルギーを与え、配管内を移動・循環させる機器です。空調設備では、冷水・冷却水・温水などを必要な設備へ循環させるために使用されます。

例えば、冷凍機で作った冷水をAHUやFCUへ送り、空気を冷却した後の水を再び冷凍機へ戻すには、ポンプによる循環が必要です。

空調設備におけるポンプの役割

空調設備のポンプは、水を必要な場所へ送り、配管内で循環させる役割を持ちます。ポンプ自体が水を冷やしたり温めたりするわけではなく、冷凍機やボイラなどの熱源設備と組み合わせて使用されます。

冷水を利用する空調設備では、次のような循環が代表例です。

冷凍機
↓
冷水ポンプ
↓
AHU・FCUのコイル
↓
熱を受け取った冷水
↓
冷凍機へ戻る

実際の配管構成やポンプの設置位置は、設備の設計によって異なります。

空調設備で使われるポンプの種類

冷水ポンプ

冷水ポンプは、冷凍機などで作られた冷水を空調機やFCUなどへ循環させるポンプです。冷水がコイルを通過すると、空気から熱を受け取って温度が上がり、熱源設備へ戻ります。

冷水ポンプの流量が不足すると、コイルで十分な熱交換ができず、冷却能力が低下する場合があります。

冷却水ポンプ

冷却水ポンプは、水冷式冷凍機と冷却塔の間で冷却水を循環させるポンプです。冷凍機で冷媒から熱を受け取った冷却水を冷却塔へ送り、熱を外気へ放出した水を再び冷凍機へ戻します。

冷水ポンプが空調機側の冷水を循環させるのに対し、冷却水ポンプは主に冷凍機から冷却塔へ熱を運ぶための水を循環させます。

なお、空冷式冷凍機など、冷却水ポンプや冷却塔を使用しない方式もあります。

温水ポンプ

温水ポンプは、暖房などに使用する温水を熱源設備と空調機の間で循環させるポンプです。AHUやFCUのコイルへ温水を送り、空気を加熱する用途などに使用されます。

ポンプ選定で重要な流量と揚程

流量

流量は、単位時間あたりにポンプが送り出す液体の量です。一般的に、m³/hやL/minなどの単位で表します。

必要な流量は、空調機の熱負荷や必要な熱交換量、配管設計などによって決まります。流量が不足すると、必要な熱量を運べない場合があります。

揚程

揚程は、ポンプが液体に与えるエネルギーを高さに換算した指標です。単位はmなどで表されます。実際の配管システムでは、配管やバルブ、コイルなどによる圧力損失を考慮して、必要な揚程を検討します。

閉じた循環配管では、建物の高さだけで揚程が決まるわけではありません。配管抵抗や機器の圧力損失などが重要になります。

流量と揚程の関係

ポンプは、流量と揚程の両方を考慮して選定します。ポンプの特性と配管システムの抵抗によって、実際の運転点が決まります。

必要流量を確保できない場合や、必要以上の圧力が発生している場合は、ポンプの選定や運転条件を確認する必要があります。

ポンプとインバータ制御

ポンプのモーターにインバータを組み合わせると、モーターの回転速度を調整できます。設備の負荷に応じて回転数を下げることで、流量や圧力を調整し、消費電力を抑えられる場合があります。

例えば、冷水配管の差圧をセンサーで測定し、その値をもとにポンプの回転数を制御する方式があります。

差圧センサー
↓
DDCなどの制御装置
↓
インバータへ速度指令
↓
ポンプの回転数を調整
↓
配管の差圧を調整

ただし、すべてのポンプがインバータ制御されるわけではありません。一定速で運転する方式や、別の制御方式を採用する設備もあります。

関連:インバータとは?仕組みと空調設備での役割

ポンプとバルブの関係

ポンプが水を循環させる一方、バルブは配管を通過する流量を調整したり、流れを止めたりする役割を持ちます。

例えば、AHUのコイルに設置された2方弁の開度が変わると、コイルを通る流量が変化します。複数の2方弁が閉じると配管全体の流量や差圧が変化するため、ポンプの運転方式と組み合わせて考えることが重要です。

関連:2方弁とは?仕組み・用途・3方弁との違い

ポンプの異常時に確認するポイント

症状 主な確認項目
ポンプが起動しない 電源、運転指令、インターロック、保護装置の動作
流量が不足している バルブの開度、ストレーナの詰まり、配管内の空気、ポンプの運転状態
差圧が設定値に届かない ポンプの回転数、差圧センサー、配管抵抗、漏水の有無
異音や振動が発生する 軸受、据付状態、空気の混入、キャビテーションの可能性
運転中に停止する 過負荷、保護装置、電源、モーターやインバータの異常表示

異常の原因は、ポンプ本体だけでなく、配管・バルブ・センサー・制御装置などにある場合もあります。中央監視の表示と現場の状態を照合し、設備の手順に従って原因を切り分けます。

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