熱交換器とは?空調設備で使われる熱交換の仕組みをわかりやすく解説

空調

熱交換器とは?

熱交換器とは、温度の異なる流体の間で熱を移動させる機器です。空調設備では、水や空気などを冷却・加熱したり、熱を回収したりする目的で使用されます。

基本的な役割は、熱を渡す側の流体から受け取る側の流体へ熱を移動させることです。一般的な熱交換器では、流体同士を直接混ぜず、金属板や管などを介して熱を伝えます。

熱交換器の仕組み

例えば、温かい水と冷たい水を熱交換器に流すと、温かい水から冷たい水へ熱が移動します。温かい側は温度が下がり、冷たい側は温度が上がります。

熱交換器自体が熱を作り出すわけではありません。温度差を利用して、流体間で熱を移動させる機器です。

実際の熱交換量は、流体の温度や流量、熱交換面積、汚れの付着、流れ方などによって変わります。

空調設備での熱交換器の役割

空調設備では、熱交換器はさまざまな場所で使用されます。

  • 冷温水を介して別の水系統を冷却・加熱する
  • 排気などから熱を回収し、外気の予熱・予冷に利用する
  • 熱源設備と建物側の水回路を分離する
  • 製造設備や機械設備の冷却に利用する

例えば、熱源設備側の冷水を熱交換器へ送り、別系統の水を冷却する構成があります。これにより、異なる水回路を直接混ぜずに熱を移動させられます。

熱交換器の主な種類

種類構造・特徴主な用途
プレート式薄い金属板を重ね、板の両側に異なる流体を流す冷温水系統の熱交換など
シェル&チューブ式外側の容器と内部の伝熱管を組み合わせる産業設備や熱源設備など
空気対空気式排気と給気の間で熱を移動させる換気設備の熱回収など
コイル式管内の流体と管の外側の空気などの間で熱を移動させるAHUやFCUなど

種類によって構造、適用できる圧力や温度、保守方法が異なります。設備の選定では、流体の種類、必要な熱交換量、圧力損失、設置スペースなどを考慮します。

熱交換器と冷凍機・冷温水の関係

冷凍機は冷水を作る熱源機で、熱交換器は流体間で熱を移動させる機器です。両者は役割が異なります。

冷凍機で作った冷水を熱交換器へ流し、別系統の水を冷却する場合があります。温水を利用するシステムでも、熱交換器を通じて別の水回路へ熱を渡せます。

冷水と冷却水も用途が異なります。一般的な水冷式冷凍機では、冷水回路と冷却水回路は別系統で、冷却水は冷凍機から受け取った熱を冷却塔へ運びます。

冷凍機(チラー)、冷温水、冷却塔も参照してください。

熱交換器とAHU・FCUの関係

AHU(空調機)やFCU(ファンコイルユニット)には、冷水や温水を流すコイルが設けられることがあります。

冷房時は、冷水がコイルを通過する空気から熱を受け取ります。暖房時は、温水から空気へ熱が移動します。このようなコイルも、流体と空気の間で熱を移動させる仕組みを利用しています。

AHUとは?、FCUとは?もあわせて確認してください。

熱交換器の性能に影響する要因

熱交換器の性能は、次のような要因によって変化します。

  • 入口側と出口側の温度差
  • 流体の流量
  • 伝熱面の汚れやスケールの付着
  • 流路の詰まりや空気の混入
  • 設計条件と実際の運転条件の違い

例えば、伝熱面に汚れが付着すると熱が伝わりにくくなり、期待した温度変化が得られないことがあります。また、流量が不足すると必要な熱を運べない場合があります。

熱交換器の異常時に確認するポイント

症状確認するポイント
出口側の温度が期待どおりにならない入口温度、流量、負荷、温度センサーの表示
流量が低下しているバルブの開度、ストレーナ、配管や流路の詰まり
圧力損失が大きい汚れやスケールの付着、流路の閉塞
水漏れがある接続部、ガスケット、配管、機器本体の状態
温度表示が不自然センサー、信号配線、計測位置、表示設定

表は一般的な確認例です。症状だけで原因を断定せず、機器の仕様書や保守手順に従って点検してください。分解や薬品洗浄などは、機器の仕様に応じて専門業者へ依頼します。

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