
4-20mAとは?
4-20mAとは、センサーなどで測定した値を、4〜20mAの電流信号として伝送する方式です。空調・計装設備では、温度・圧力・差圧・流量などの測定値をDDCなどのコントローラへ伝える用途に使われます。
測定範囲の下限を4mA、上限を20mAに対応させることが一般的です。下限を0mAではなく4mAにする方式は「ライブゼロ」と呼ばれ、通常の測定範囲と信号異常を区別する手がかりになります。
4-20mAの仕組み
例えば、圧力センサーの測定範囲が0〜100kPaで、出力が4-20mAに設定されている場合、次のように対応します。
| 電流 | 圧力の例 | 測定範囲に対する割合 |
|---|---|---|
| 4mA | 0kPa | 0% |
| 8mA | 25kPa | 25% |
| 12mA | 50kPa | 50% |
| 16mA | 75kPa | 75% |
| 20mA | 100kPa | 100% |
この例では、電流が12mAなら測定範囲の50%なので、圧力は50kPaです。実際の換算は、センサーの測定範囲とDDC側の設定が一致していることが前提です。
電流から測定値を換算する方法
測定範囲の下限を0%、上限を100%として使用する場合、電流値から割合を求める基本式は次のとおりです。
割合(%)=(電流値 − 4)÷ 16 × 100
例えば12mAの場合、(12 − 4)÷ 16 × 100 = 50%です。
測定範囲が0〜100kPaなら、50%にあたる50kPaに換算できます。測定範囲が10〜110kPaの場合は、同じ50%でも60kPaになります。電流値だけでは実際の物理量は決まらず、機器に設定された測定範囲が必要です。
なぜ4mAから始めるのか
4-20mAでは、測定範囲の下限を4mAで表します。このように、測定値の下限を0mAではない値で表す仕組みをライブゼロと呼びます。
例えば、通常の測定範囲が4〜20mAであれば、0mAは正常な測定値の範囲外です。そのため、0mAや規定範囲を大きく下回る電流を、断線や電源異常などを疑う手がかりにできます。
ただし、0mAになれば必ず断線とは限りません。また、機器によっては測定範囲外の電流で異常を通知する仕様もあります。異常判定の条件はセンサーや入力機器の仕様書で確認してください。
4-20mAは何に使われる?
- 温度センサーからDDCへ温度測定値を伝える
- 圧力センサーから配管圧力を伝える
- 差圧センサーからフィルターや配管などの差圧を伝える
- 流量センサーから流量測定値を伝える
4-20mA自体が温度や圧力を測定するわけではありません。センサーが物理量を検出して電流信号に変換し、DDCなどがその電流を受け取って測定値に換算します。
センサー・DDC・中央監視の関係
空調設備では、例えば次のような構成になります。
圧力センサーで圧力を検出 → 4-20mA信号を出力 → DDCのアナログ入力で受信 → 圧力値に換算 → 必要に応じて制御や中央監視への表示に利用
DDCが測定値を受け取る入力は一般にAI(アナログ入力)として扱われます。DDCで換算された測定値は、制御に利用したり、中央監視システムへ送って表示・記録したりできます。
中央監視システムとDDCの役割については、中央監視およびDDCの記事も参照してください。
4-20mAと0-10Vの違い
| 項目 | 4-20mA | 0-10V |
|---|---|---|
| 信号の種類 | 電流信号 | 電圧信号 |
| 一般的な範囲 | 4〜20mA | 0〜10V |
| 信号異常の判別 | ライブゼロを利用できる場合がある | 0Vが正常な下限値の場合もある |
| 注意点 | 電流入力の仕様や回路条件を確認する | 電圧入力の仕様、配線条件、共通線などを確認する |
4-20mAは、適切な回路条件では配線抵抗による電圧降下の影響を受けにくく、比較的長距離の信号伝送に適しています。一方、0-10Vも空調設備で広く使われており、どちらを採用するかは機器仕様や設備設計によります。
詳しくは0-10Vの記事を参照してください。
4-20mAと2-10Vの違い
4-20mAは電流信号、2-10Vは電圧信号です。どちらも下限を0ではない値に設定する方式として使われる場合がありますが、信号の種類や入力回路は異なります。
4-20mAでは4mAが測定範囲の下限、2-10Vでは2Vが下限に対応する設定が一般的です。ただし、どちらも実際の対応関係や異常判定は機器の仕様によります。
電流信号と電圧信号は、そのまま相互に接続できるとは限りません。接続するDDCやセンサーの入力・出力仕様を確認してください。詳しくは2-10Vの記事を参照してください。
現場で確認するポイント
4-20mAの測定値が正しく表示されない場合は、次の項目を確認します。
- センサーの出力仕様が4-20mAになっているか
- DDC側の入力が電流信号に対応しているか
- センサーの測定範囲とDDC側の換算設定が一致しているか
- 電源、配線、極性、端子の接続が仕様どおりか
- 電流値が正常範囲にあるか
- 中央監視の表示値だけでなく、DDCが受信している値も確認できるか
例えば、センサー側で4〜20mAが出力されていても、DDC側の測定範囲が別の値に設定されていると、画面上の圧力や温度がずれて表示されます。電流値と換算設定の両方を確認することが重要です。
電流を測定する際は、電流計を回路へ直列に接続するなど、適切な測定方法が必要です。測定器の接続を誤ると、回路の短絡や機器の損傷につながることがあります。必ず機器の取扱説明書と現場の安全手順に従ってください。
よくある疑問
Q. 4-20mAの4mAは何を意味する?
A. 一般的には測定範囲の0%を表します。例えば0〜100kPaなら、4mAが0kPaに対応します。
Q. 4-20mAで0mAになったら故障?
A. 正常範囲が4〜20mAの機器では、0mAは通常の測定値の範囲外です。断線や電源異常などの可能性がありますが、原因は仕様に従って確認してください。
Q. 4-20mAは温度専用の信号?
A. いいえ。温度のほか、圧力・差圧・流量など、さまざまな物理量の伝送に使われます。
Q. 4-20mAと20mAは何が違う?
A. 4-20mAは信号方式の名称で、20mAはその信号範囲の上限値です。
Q. 4-20mAは中央監視に直接接続する?
A. 設備構成によります。センサーの信号をDDCで受け取り、DDCから中央監視システムへ測定値を伝える構成が一般的な例です。接続方法はシステム仕様を確認してください。

